『[新版]グロービスMBA経営戦略』の書評|さまざまな思考の型を知るのに役立つ必読の一冊

『[新版]グロービスMBA経営戦略』(グロービス経営大学院 著 編著 ダイヤモンド社)を読んだので書評記事を書きます。
この『[新版]グロービスMBA経営戦略』を読もうと思ったきっかけは、こちらの書評記事で紹介した『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』の『これだけ読めばいい!「ビジネス書マンダラ」』の超基本の6冊に紹介してあったからです。
20代のうちに読んでおきたい6冊のうちの1冊である『[新版]グロービスMBA経営戦略』ですが、20代でなくても、30代でも、40代でも企業経営関係なく、人生戦略の書としても、活用できると思うので、読みたいタイミングで読めばいいと思います。
ビジネスの全体像を学ぶ、知ることが資本主義の世界でお金を稼いでいくときには、大事なことだと思います。
何を学ぶか、深堀りしていくかという点も大事ですが、全体像を知ることで俯瞰的な視点を手に入れることができます。
何を学ぶにしても、そのジャンルの全体像や上位概念の全体像を知ることは大事な行為だと感じています。
ちなみに『[新版]グロービスMBA経営戦略』は、1999年に出版された『MBA経営戦略』の改訂版にあたります。
『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』が出版されたのは2015年で『[新版]グロービスMBA経営戦略』が出版されたのは2017年です。
『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』の著者の山口周氏的には、この『[新版]グロービスMBA経営戦略』を読んだがいいのか、改訂される前の『MBA経営戦略』を読んだほうがいいのかについては、不明です。
『MBA経営戦略』は、Amazonのマーケットプレイスでかなり安く手に入れることができるので、古い版の本も、新版の本も、どちらも読んでみるのもありだと思います。
『[新版]グロービスMBA経営戦略』を読んでも、すぐに人生に変化が訪れるわけでないと思いますが、ビジネスや会社がどういった枠組みで動いているのかや、経営戦略を人生戦略に置き換えて、読み進めることで得るものがきっとあると感じる1冊でした。
興味深かった内容を引用しながら、感想や気づきを書いていきます。
目次
大局での勝利こそが、個別の勝利よりも重要である
序章に書いてある文章が印象に残りました。
ここで重要になるのは、「大局的」というキーワードである。
どれだけ個別の戦いで勝利を収めたとしても、大局での勝利に結び付かなければ戦には勝てない。
そこで、グランドデザインとしての戦略が必要になる。
戦略を持たずに場当たり的な局地戦に終始していると、どこかで手痛いダメージを被ることになりかねないからだ。
大局での勝利が重要なのは、ビジネスに限らず、人生、生活全般でも言えます。
仕事での成功だけ追い求めて、健康を害してしまったり、人間関係が破たんしてしまうとバランスに欠けます。
仕事の成功だけでなく、家族でのやすらぎ、趣味や地域社会への貢献、勉強、肉体的健康、精神的健康など、バランスよい成功や結果を現実にするのが望ましいと思います。
全体的な成功や結果を得るためには、全体像をしっかりと把握して、戦略を練ることがだいじだと思います。
昔読んだ、マーケティングの本に、「戦略とは、目的達成のために資源をどう配分するか?を決めることである」のような内容が書いてあり、その通りだと思いました。
目先の仕事だけでなく、将来どんな風な生活をしたいのか?
そのために、時間とお金、エネルギーをどう配分していくのか?というのは、頭の片隅に常に入れて、生きていくのが大事だと思います。
セブンイレブンの強さの秘密は『仮説検証の精神』にあり
コンビニで最大の勢力をほこるセブンイレブンの強さの秘密は『仮説検証の精神』にあると言われています。
「セブンイレブンの強みは社内の企業文化や仕組みにある」という業界関係者は多い。
とりわけ人材に対する評価は高く、「セブンから転職してきたスーパーバイザーは、他のコンビニや業界のスーパーバイザーとは質が違う」という声もよく聞かれる。
その差異を生んでいる最大の要因が、開業以来40年間トップに君臨してきた鈴木敏文の存在と、彼が最重要視し、組織文化や仕組みに組み込まれている仮説検証の精神である。
一人暮らしの便利帳の運営者も、週に4回以上はセブンイレブンに立ち寄り、nanacoカードでお買いものをしています。
コンビニといえば、セブンイレブン。
近くて便利なセブンイレブン。
そのセブンイレブンの強みは、仮説検証の精神にあったのですね。
仮説検証の精神は、コンビニだけでなく、仕事や、人生においても、大事な考え方で、自分なりの仮説を立てて、検証していくことは、物事をうまくいかせるには必須の考え方といえます。
仮説を立てない限りは、検証することもできませんので、まずは、仮説を立てることが大事だと思います。
どういった仮説を立てればいいのか?という点や、どうやって仮説がうまくいったかの検証をするのか?という点については、ほかの書籍に上手くまとめてある本があると思います。
仮説検証について学べる本を読んだら、書評記事を書きます。
リーンスタートアップや、学習する組織やら、仮説検証を大事にするビジネス理論は多数展開されていて、さきにも言及しましたが、仮説検証の精神は、ビジネスだけでなく、人生、生活、はては、スポーツ、趣味の活動にも、活用できる精神です。
この一人暮らしの便利帳の運営にも、仮説検証の精神をもちいて、PV数の増加を実現させたいです。
月間100万PVを目標にやっているので、いろんな仮説をもとに記事を作成し、うまくいったか検証していきます。
企業の海外進出のためのフレームワークを個人の海外移住に応用する
『[新版]グロービスMBA経営戦略』には、企業が海外旬出するときに、何を考えればいいのか?というフレームワークを紹介しています。
カントリー・アナリシス・フレームワークであったり、CAGEであったり、ADDING価値スコアカードなどでる。
各フレームワークについての詳細な説明は割愛しますが、この海外進出、グローバル企業、多国籍企業に関するフレームワークは海外移住を検討している個人にも応用できます。
抽象度は、バラバラに記載しますが、文化、制度、地理、経済、政治、インフラ、価値観、言語、気温、湿度、家賃、住環境、衛生面、食料事情、気候、資金調達のしやすさ、クレジットカードの普及率、識字率などなど、いろんな項目があります。
もちろん、個人と企業では重視する項目が違ってくると思います。
とはいえ、個人が海外移住や旅行をするときに、有益な示唆をもたらしてくれるでしょう。
フレームワークの定型にたよって思考停止になるな
『[新版]グロービスMBA経営戦略』には、多数のフレームワークがでてきます。
フレームワークに当てはめて、考えた気になるのは、危険だと思います。
フレームワークの定型に当てはめて、何も考えずに思考停止状態になると思わぬところからリスクが表面化していく可能性もあるでしょう。
型をしっかり覚えた後に、初めて”型破り”になれる。型が無いままやるのは、ただの型無し
とは歌舞伎役者の中村勘三郎の名言として語り継がれています。
名言の通りで、型破りなことも大事ですが、型がまったくないのは、考えにもれがでます。
思考停止というより、思考を開始さえしていない場合もあるでしょう。
思考を開始するためにも、型を知るのが大事です。
型を知ったうえで、思考停止にならずに、自分の頭で長期間の思考をし続けるのが大事だと思います。
いろんな型を知るために役立つのがこの『[新版]グロービスMBA経営戦略』です。
まとめ
『[新版]グロービスMBA経営戦略』は、会社員としての成功、経営者としての成功だけでなく、人生全般を豊かに楽しく生きていくための全体像を知れる一冊だと思います。
企業がどういう枠組みで意思決定をしているのか、所属している企業がどういうポジションにいるのか、就職、転職しようとしている会社の将来性はどんな感じか、などなど、仕事や人生で役立つフレームワークをいろいろと知ることができます。
こちらの書評記事で紹介した『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』の『これだけ読めばいい!「ビジネス書マンダラ」』の超基本の6冊のうちの1冊である『[新版]グロービスMBA経営戦略』を読めば、ビジネスの全体像を知ることができて、従業員として働く毎日も、違った感じをうけると思います。
人間は知識がないことは、認識できないという性質があります。
ビジネスの全体像を知ることで、いろんなことが認識できて、新たなアイデアも生まれやすくなるでしょう。
次回は、『これだけ読めばいい!「ビジネス書マンダラ」』の超基本の6冊のうちの1冊である『改訂3版 グロービスMBAマーケティング』の書評を書いていきます。
書評記事ではないお役立ち記事は超基本の6冊の書評を書いたら、再開しようと思っています。
『一人暮らしの便利帳』を今後ともよろしくお願いします。