『15歳若返る脳の磨き方』の書評|IQを高めるために読書しまくることを決意した1冊

『15歳若返る脳の磨き方』(苫米地 英人 著 フォレスト出版)を読んだので書評を書いていきます。
脳機能学者として有名な苫米地英人博士の著作。
脳が人間の若さを決めると断言する苫米地博士の考えを一通り学ぶことができる本です。
要約すると、
- 人間の若さは脳が決める
- 脳を若返らせるには抽象的な思考をすること
という内容でした。
具体的に、どう抽象的な思考をすればいいのか?抽象的な思考とは何なのか?という疑問が解決する本です。
驚くべき発言も随所にみられ、人間の奥深さを感じる一冊でした。
例えば・・・
就寝する2、3時間前に、自分の腕や足、腰などに筋肉がつくというイメージをしっかりと頭の中で思い浮かべます。
すると、睡眠中に、脳が成長ホルモンを活発に分泌するようになります。
それを毎日くり返していくと、身体に筋肉が少しずつついてきます。
というところです。
筋トレをせずに、イメージするだけで、筋肉がついてくるというのです。
世間の常識に反する内容を実現させているところに、苫米地博士の凄さを感じます。
筋肉がつくのなら、薄毛の人が髪がフサフサの状態をイメージするなら、頭部の血流も増加して、頭皮に栄養素が行きわたり、髪も生えてくる可能性があります。
ミノキシジルやフィンペシアなどの薬に頼らずに、髪を生やせる可能性を発見できたことは何よりの収穫でした。
それでは、さっそく引用しながら書評、感想や気づきを書いていきます。
目次
脳の若さが人生の豊かさを作っていく
脳が若ければ、やりたいことをどんどんやれる人生が待っている。
逆にいえば、やりたいことをやっているから、脳が若い。
卵が先か鶏が先かといった問題でもありますが、やりたいことを楽しくやっている人は若々しく見えます。
これからの時代は、脳の若さが格差をつくります。
脳の若さが格差をつくっていくという考えをのべる苫米地博士。
格差というえば、経済的な格差だけでなく、人生の豊かさ、人生の質といった格差もあるでしょう。
経済格差をつくるのは、お金をいかに稼ぎ、いかに守れ、いかに運用できるかにかかっています。
莫大な金額を稼ぐにも、今の時代は肉体労働ではなく、頭脳労働で稼ぐ比重が大きいです。
頭脳労働の源泉は脳にあり、IQの高さが求められます。
今の時代のサバイバルは、物理空間ではなく、情報空間にうつっています。
脳が若い人、つまりIQが高く抽象的な思考が得意な人は、圧倒的な金額を稼ぐことができるでしょう。
したがって、脳の中に筋肉が成長するイメージを定着させ、脳がふたたびホルモンをたくさん出すように導いてやれば、かつて身体を鍛えていたころと同様に筋肉がついてくるわけです。
驚くべきことが書いてあったと冒頭で紹介しましたが、苫米地博士はイメージすることだけで筋肉をつけることができるそうです。
物凄く臨場感を高くイメージすることができれば、成長ホルモンをだすことくらい簡単なことのようです。
イメージすることなしには、実現しないので、まずはイメージすることが大事だと思います。
イメージするだけで筋肉をつけられるなら、筋トレ&イメージをすると、より効率よく筋肉をつけることができるのではないかと思います。
何をやるにしても、イメージ+αといった感じでやれば、何事も上手くいく確率が高まると思います。
スポーツの練習や試合でも、上手になったイメージ、勝ったイメージをすることでよりよい結果につながると思います。
仕事でも、ガムシャラに働くだけでなく、上手くいく過程や莫大なボーナスをもらう様子を臨場感いっぱいにイメージすることで、よりよい結果が出せると思いました。
一番の目的は、脳をコントロールすることによって肉体がどれくらい変化するかを、自らの実践によって、検証することでした。
私は、脳と肉体について、ある仮説を立てています。脳をコントロールすれば、人間に不可能はない。
もちろん、鳥になって空を飛んだり、時速100キロで走ったりすることはできない相談です。
しかし私は、およそ人間として「こうしたい」「こうありたい」と望む願いはすべてかなえることができるはずだと考えてきました。肉体改造はその証明の一環であり、私はそれを成功させました。
私の仮説が正しいとするならば、人間の若さについても、次のように言うことができるはずです。脳が人間の若さを決める。
これが私の若返り法のコアとなる考え方です。
苫米地博士は、脳が若返りの最大のポイントだといっています。
たしかに、脳がいろんなホルモンを分泌させ、運動をするのも、脳の指令があってこそだし、視床下部が自律神経をつかさどり、血圧や血流、心拍数とかも脳がコントールしています。
呼吸も脳がコントロールしていますし、脳の状態をよりよく保つ、改善していくことは若さにつながることを改めて考えることができました。
肌のターンオーバーも脳が指令を出していると思うし、美肌も脳がつくるといっても過言ではないと思います。
脳が若さを決めるといった主張だけでなく、IPS細胞やテロメアなど、学術的な内容も持ち込まれていました。
興味がわいた用語やジャンルを深掘りして、読んでいこうかとも、思いました。
あなたが素晴らしい未来を手に入れようとするなら、脳を若返らせるしかありません。
自分のやりたいことをやるためにも、脳の若返りをはかるしかないのです。
ストレスや収入や支出をコントロールするのも、脳です。
感情をコントロールするのも、脳です。
若々しい脳をとり戻すことができれば、活力あふれる毎日が手に入るでしょう。
抽象的な思考をすることが脳に若さをもたらす
具体的にどういうことをすれば、脳が若返るのかも、じっくりと解説されていました。
脳は使わないと、筋肉を同じように衰えていきます。
脳を使うというのは、抽象思考をすることです。
そして、抽象思考とは、抽象度を上げて物事を考えたり、抽象度の高いところで物事を認識したりすることです。
抽象思考とは、抽象化して考えることと同じ意味です。
抽象化とは、具体化の反対です。
例えば、ドナルド・トランプ、ブレア首相、イチロー、和田アキ子、というように個人名にすれば、具体的ですが、抽象度を上げると「人間」と表現できるし、もう1つ抽象度を上がると「哺乳類」ですし、もう1つ上げると「生物」といった感じです。
これが、抽象化するということです。
物事を1つ上の視点で見るということです。
例えば、自転車をみたら、乗り物という認識をしたり、移動手段という認識をするのです。
抽象思考を身につけると、仕事でも色んなアイデアが浮かんできます。
異業種の成功事例をみて、その成功事例を抽象化して、自分の業種に具体化させあてはめることも出来ます。
抽象思考をきたえるトレーニングはいたるところで、できます。
道を歩いているときに、目に入ったトラックをみたら、四輪駆動車と1つ上の抽象度で認識し、看板をみたら、情報伝達手段という1つか2つ上の抽象度で認識したりすることで、抽象思考を鍛えることができます。
①使わない神経細胞はどんどん失われ、二度と取り戻すことができない。
その神経細胞の大量淘汰はクリティカルエイジを境に始まり、その人が死ぬまで続いていく。
②脳の働きを回復させ、脳を若返らせる方法は、脳を使い、神経ネットワークの働きを維持、拡大させていくしかない。ならば、どうすればいいか、答えは見えてきます。
一言で言えば、それは抽象度の高いところの能力を磨き、それを維持・向上させていくことです。
人間が産まれてから、脳細胞はどう増えて、どう減っていくのかも、解説してあり、今後の人生でどう脳を使っていくのがいいかも、説明してありました。
とにもかくにも、抽象思考をすることが大事だと、繰り返し説明されています。
IQを高くすることが脳の若返りに欠かせない
よく聞くIQ(知能指数=Intelligence Quotient)が高いとは、どういった状態や能力をさすのでしょうか?
本当にIQが高い人は、膨大な情報の中から、これまでにない、誰も気づかなかった、まったく新しい抽象化のパターンを見つけ出します。
その、まったく新しい抽象化のパターンを見つけ出す力こそが、IQで表される能力なのです。
IQとは、膨大な情報の中から抽象化されたシンプルな情報を取り出す能力のことをいうのですね。
IQの高さとは、ひとつ上の抽象度から物事を考えることができるかという問題に還元できるのです。
よくビジネスマンでも、10歳上の役職の立場で物事をみるといいみたいなことを言われると思います。
それと同じように、自分の上の役職の抽象度で、考えて実行し、抽象度を上げて考えれば、自分の言動が1日後、1か月後、半年後にどんな影響を与えるのか?といった時間軸での抽象度を上げることができると思います。
IQを高め脳の衰えを回復させる3つの方法
I抽象思考を日々、実践し、IQを高めることが、脳の衰えを回復させ、若返らせることにつながることがわかりました。
どうすれば、効果的にIQを高めることができるのでしょうか?
3つの方法が紹介されていました。
- 読書
- プログラミング
- 五線譜の楽譜にもとづいた楽器の練習(クラシック音楽)
ここでは、読書に焦点をあてて、書いていきます。
プログラミング、楽器の練習については割愛します。
IQの高さというのは、じつは読んだ本の数にほぼ正比例しています。
たくさん本を読めば読むほど高くなるわけですから、IQを高める方法として非常にわかりやすく、取り組み方も単純です。なぜ本を読めばIQが高まるのか。
それは、知識のゲシュタルトができるからです。
知識のゲシュタルトとは、ある事柄に関連するひとまとまりの知識という意味です。
すでに述べたようにIQの高さとは、抽象化の能力です。
そして、私たちが抽象思考をするときの脳は、神経ネットワークの同時発火を起こしています。
抽象化を行うときは、記憶の中のたくさんの知識のゲシュタルトから、共通するシンプルな情報を見出すわけですから、そもそも知識がなければ何も始まりません。
知識がなければ、いいアイデアも思い浮かびません。
そもそも、考える材料となる知識や情報がないと、情報同士を組み合わせたり、賭けあわせたり、引き算したりすることもできないわけですから、膨大な情報や知識をもっているだけで抜群に有利になるわけです。
知識不足が原因で、無駄な作業や仕事をしている人も多いはずです。
エクセルの知識がないだけで、無駄な時間が増えるし、外注するという知識がなければ、自分で仕事を抱えまくることになるし、コンサルに依頼するにしても、よいコンサルの見分け方という情報がないと無駄にお金を使うし、知識や情報があることで有利に物事がすすむことは多いです。
知識量が多い=IQの高さにつながるわけですから、読書をしないという選択はないと思います。
Facebookのマークザッカーバーグも読書をしていますし、読書をしない経営者には未来はないと思います。
経営者だけでなく、人生をよりよく生きていきたい人が読書をしないというのは、物凄く損をしていると思います。
読書をしない人は、リサーチできない人ともいえます。
前提となる知識がないと、そもそも何を調べればいいかも、認識できないし、知識なんてGoogle検索できれば大丈夫という考えもありますが、そもそも検索するキーワードも知識がないと検索しようにも出来ないです。
リサーチを入念に行うことで、方向性や戦略をしっかりと策定することができて、無駄足、無駄骨を防げますし、かつ、効率よく目標に到達することができるでしょう。
つまり、新しい知識の獲得がないところに、さらなる抽象化はありえません。
抽象化を進め、思考が抽象化ピラミッドの頂点に近づけば近づくほど、必要な知識のゲシュタルトは必然的に増加していかなければならないわけです。
結局のところ、情報量がものをいう世界、社会ですから、読書をしまくることが大事です。
生活していくのにも、お金が必要です。
お金を稼ぐにも情報空間で付加価値を高めることが必要になります。
情報空間での付加価値を高めるためにも、情報量、知識量があってこそ、新たなアイデアがうまれ、付加価値を高めることができます。
お金を稼ぐためには、そのための情報を選び取る必要があります。
その情報自体をもっていないと、どうしようもありません。
情報を認識するためにも、前提となる知識が必要ですし、知識を認識するためにも、読解力や言語運用能力が求められます。
日本語だけでなく、英語やフランス語など、外国語を駆使できれば、アクセスできる情報源もぐっと増えて、日本語しか操れない人よりも有利な立場にたてるでしょう。
どれくらいの本を読んでいけばいいのでしょうか?
私があなたに贈る課題は、月に100冊の読書です。
膨大な知識を身につけるには、月に100冊の読書が必須のようです。
どんな本を読めばいいのでしょうか?
私がよく勧めているのは、Amazon、紀伊國屋書店などのランキング100位までのベストセラー(小説とマンガと写真集は除く)をすべて注文し、片っ端から読んでいく方法です、
ベストセラーですから、読むに堪えない駄作をつかまされるリスクは少なく、何を読むべきか迷って時間をロスする心配もありません。
たしかに、ベストセラーだと駄作は少ないと思いますし、時代の流行もつかめるし、いいことづくめだと思います。
全ジャンルのベストセラーだと新書もあれば、ハードカバーもありと、ジャンルも幅広くあり、知識のゲシュタルトを幅広く構築していくのに適している選書方法だと思いました。
まとめ
これからの時代は、脳の若さをとり戻し、保つことで豊かな人生を送れます。
そのために、大量の読書を中心にIQを高め、抽象思考をしていくことが大事です。
他にIQを高める方法や脳の状態を良好に保つ秘訣も書いてありましたが、割愛します。
『15歳若返る脳の磨き方』(苫米地 英人 著 フォレスト出版)は、膨大な読書をすることで知識のゲシュタルトを増やしてIQを高めることの重要性がよくわかった1冊です。